腫瘍は、「良性」や「悪性」のほか、良性とも悪性ともわからない「良性又は悪性の別不詳」に分かれます。院内がん登録では、主に悪性腫瘍を登録していますが、卵巣や脳・中枢神経など、「悪性」に加え「良性」や「良性又は悪性の別不詳」の腫瘍を登録している部位もあります。
身体の中でがんができた場所のことです。胃にできた悪性腫瘍のほとんどは、癌(上皮性の悪性腫瘍)ですが、悪性リンパ腫ができることもあります。その際の部位は、胃となりますが、悪性リンパ腫は血液腫瘍に分類することになります。悪性腫瘍の細胞の種類により、同じところにできても集計する部位が変わることがあります。
初回治療とは、「がん組織の縮小あるいは消失を目的とした治療」のことを指します。がん治療計画のなかで、「経過観察」が計画された場合は、「経過観察」も初回治療とみなします。
血液腫瘍とは、「悪性リンパ腫」「多発性骨髄腫」「白血病」「他の造血器腫瘍」の便宜上の総称です。
がん患者さんの診断および治療について、その施設がどのように関係したかを判断するための項目です。
がん患者さんがどのような経路によって、自施設を受診されたのかを把握するための項目です。
「自主的受診」とは他施設からの紹介等ではなく、自主的に自施設を選択して、初診した場合のことです。
「自施設での他疾患経過観察中」とは、自施設で他疾患の経過観察中に、がんと診断あるいはがんが疑われた場合のことです。
がん患者さんが「がん」と診断されるきっかけとなった状況を把握するための項目です。
「その他」は、患者さんがなんらかの症状があり医療機関を受診した際に、がんと診断あるいは疑われた場合、この項目に登録されます。
UICC TNM 分類とは、UICC(Union Internationalis Cancrum =国際対がん連合)が採用している悪性腫瘍(がん)の病期分類のことで、T(tumor):原発腫瘍の進展範囲(拡がり)、N(nodes):その臓器に所属するリンパ節転移の有無と進展範囲(拡がり)、M(metastasis):遠隔転移の有無(他の臓器への転移)の3つの要素に付記されている数字によって、悪性腫瘍の進展範囲を分類します。
これにより示された進展範囲がステージ、あるいは病期と呼ばれ、臓器毎にT・N・Mの組み合わせによって0期からⅣ期に分類されます。
患者さんががんと診断された際に、がんの拡がり、いわゆる「ステージ」がどの程度か確認し治療方法を決めるため、様々な検査を行います。このときに、診断されたステージが「治療前ステージ」となります。
患者さんに手術(外科的治療、鏡視下治療、内視鏡治療等の切除術)を行った際に診断されるステージが「治療後ステージ」となります。治療後ステージは、手術を行った場合のみ、登録が行われるため、治療前ステージ別登録数より登録件数が減りますが、より正確に診断されたステージといえます。そのため、治療前ステージと治療後ステージが変わることもあります。(ステージⅡと診断されていたが、実際に手術を行ったらステージⅠだった等) 「術前治療後」という項目は、手術を行う前にがんの縮小等を目的に化学療法や放射線療法などを行った場合、がんの進展範囲が変わるなど、状態が大きく変化するため、院内がん登録では「術前治療後」として登録します。
より正確に診断された「治療後ステージ」を第一優先とし、手術を行わなかった患者さんや術前治療を行った患者さん、またはステージ不明とされた患者さんは「治療前ステージ」を用いて、がんの治療開始時点でのステージを示す指標として集計されたものが、「総合ステージ」となります。
保健医療圏とは、一次、二次、三次保健医療圏があります。
離島市町村在住患者とは、沖縄本島に移動する手段として、航空機、船舶の利用が不可欠な市町村に在住しているがん患者さんのことを指します。
小児がんとは、一般的に0歳から15歳未満に発生する悪性腫瘍のことです。
AYA(Adolescerts and Young Aduits)世代のがんとは、思春期・若年成人(15歳から39歳)に発生する悪性腫瘍のことです。
5年相対生存率とは、あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標です。
あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体(※1)で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。
(※1)正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団
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