院長メッセージ

全国には92の赤十字病院・施設があります。沖縄県では当院が唯一の赤十字病院です。2010年に那覇市古波蔵から与儀に新築移転してきました。それを機に、医療機能の充実、向上に努めました。医師も増え、より高度な医療を提供できるようになったと自負しています。2013年に地域医療支援病院、2014年に地域災害拠点病院、2018年に地域てんかん拠点病院として認定されました。

当院では、がん患者に対して手術治療、薬物治療、放射線治療を実施しています。手術治療においては、胸腔鏡または腹腔鏡を用いての低侵襲手術を積極的に行っています。患者さんの身体的負担軽減に繋がっていると考えます。また血液のがんにおいては、無菌室を利用し、より強力な治療が行える体制を取っています。当院でも多くのがん患者さんを診ていますが、残念ながら、治癒に至らない患者さんも少なからずいます。この現状を踏まえ、がん医療の充実を図る目的で、2018年7月に緩和ケア病棟を開設しました。がん医療のもう一つの柱ができたと思っています。入院したら看取りまでということだけではなく、可能な範囲で地域の訪問診療を行う先生方と協力して、在宅療法に繋げていくことも方針に掲げています。

近い将来、2人に1人が、がんで亡くなる時代がやってくると言われています。沖縄県では年間約9千人が、がんに罹患しています。今後、高齢者が増えるため、がん患者もさらに増加すると予想されています。「院内がん登録データからみる沖縄県のがん診療の現状」は県内のがん医療の状況を把握でき、近隣の病院との協力体制を構築するうえで貴重な資料となります。地域の中核病院として、これまで以上に職員一同研鑽を積み、がん医療の充実、強化を図ってまいります。

日本赤十字社 沖縄赤十字病院
病院長 大嶺 靖

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