南部病院は、国が進める地域医療計画の中で、いわゆる回復期の領域を担う病院として機能しております。友愛会の中でも豊見城中央病院が高度急性期医療を担い、南部病院は回復期として役割分担をより鮮明に打ち出し、近隣の医療機関とも連携を図っており、その様な中で院内がん登録の患者さんの推移は、興味あるものです。
当院は、がんの手術は行ってない代わりに緩和ケア病棟があるので、院内がん登録の患者さんは、ほぼ緩和ケア病棟への紹介患者さんと考えられます。当院の全登録患者数は205件と昨年と全く同数でありました。
次に年齢別登録数を見てみると、これも沖縄県全体や全国の登録と比較しても顕著な特徴を表していますが、60歳以上が全体の90%を占めております。病院としても地域包括ケア構想の拠点病院と位置付けて活動しておりますが、がんの診療においても高齢者が多く、病院の診療全体とほぼ同様の割合になっているのが大きな特徴となっております。
また、臓器別の登録者数を見てみると、沖縄県全体では①乳房、②結腸、③肺となっておりますが、当院では①結腸、②肺、③乳房となっており、その割合が沖縄県全体と少し差異があります。今年の特徴として、乳房が顕著に増えてきて当院の中で3位となっておりますが、県全体としては、今後もっと増えてくる可能性があるのではないかと思われました。
国は、がん診療を含め在宅医療へシフトしていきたいという考えが診療報酬の改定を通して見えますが、全ての患者さんを在宅で診ていけるわけではないと思いますので、当院の様な回復期の病院では、がんの患者さんも含めてもっと利用(登録)が増えてもいいのではないかと考えられます。そこで、さらに地域と連携して円滑な当院の利用が進むように頑張っていきたいと思います。
社会医療法人友愛会 南部病院
病院長 城間 寛
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